境界性人格障害

具体的な症例報告

初診時34歳女性

高校生の時、精神科病院に通院歴あり。卒業後、年配男性と不倫関係になり、その後別れたが、アルコール乱用、無気力状態、リストカットなどを繰り返すようになった。26歳で暴力的で支配的な男性と結婚、2子をもうける。

しかし33歳で離婚。生活保護と父親の金銭的援助を受けて独立したが、翌年、心療内科を訪ねる。薬物療法と面接の開始。薬物依存の集団療法施設も薦めたが、金銭的余裕が無いことを理由に断る。

その後も多量服薬は収まらず、自殺念慮も高まっていたが、ある日、「もし私が自殺したら先生の責任ですか?」と尋ねた。治療者が「治療だから責任は半々だと思っている。もしそうなったら残念だが、自殺してもらうために治療しているわけではない」と答えると、涙をいっぱいにためて、治療者に初めて謝罪をした。

しかし薬への依存は続き、子供は児童相談所に預けることになった。ひとり暮らしになり孤独感は強まったものの、子供への暴力のリスクがなくなったため、次第に心に変化が表れ、2ヶ月半後に相談所から子供を引き取った。治療者には、母親の愛情ことや昔の男性のことなど過去を冷静に語るようになり、約3ヶ月間は何事もなく安定して生活をしていた。

しかし、薬物への依存は収まってはいなくて、ある日市販薬を無茶飲みして、もうろう状態となった。その状態で病院に電話をかけ、患者仲間を罵倒・脅迫する事態を起こし、それが原因で警察沙汰となった。結局転院し、その後の消息はつかめていないとのことである。

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