境界性人格障害

具体的な症例報告

中学3年男子

母親から溺愛されているひとりっ子。育児に関することで夫婦間は仲が悪い。小学校に入る前から母親の指示でバイオリン、習字、絵画を始める。中学も母親の希望で有名中学に越境入学した。ところが今までずっと母親の教えに従ってきたために、自分1人ではどうすることもできず、次第に学校にも馴染めず憂うつ状態に陥った。

焦燥感、全身の倦怠感が強くなり、母親に「もう治らない」としがみついて訴えたり、急に道路に飛び出してひっくりかえったりするようになった。診察を受け始める。

病棟内では問題行動は起こさなかったが、母親のもとに戻ると髪の毛をカミソリで剃り落とす、刃物や物を投げるといった行動をし、まるで別人物のように変化した。高校には入学したものの、女性関係や勉強への強迫観念が強くなる。

また自傷行為が頻発になり、「自傷行為をして感情的に興奮して泣きながら話すときだけ離人感が薄らいで、本当の気持が出せる」と言葉に出す。不登校が続き結局高校は中退。面接だけが心の拠り所となり、治療者に対して「面接が心のゆとりの持てる唯一の時間。面接がなければ自慰行為に走るかむちゃ食いするかになってしまう。面接が1週間の節目になっていると」伝える。

良い学校一点張りの考え方だったが20歳をすぎて清掃会社でアルバイトを始める。この頃から母親へのまとわりつきと自傷行為は著しく減少し、父親とも話すようになる。一時5回目の入院をしたものの、27歳の春、無事治療者からの面接を卒業した。

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