
それでは次に言葉を統一するため、境界例と境界性人格障害と境界性パーソナリティ障害について見てみます。今ウエブサイトをご覧になっている方には、上の三つの表記をよく目にするかと思います。
それでは違いを見てみましょう。まず境界例の定義です。概念のところでも出てきたように、ナイトの論文の「境界状態」(Borderline state)を境界例と訳し、旧来の精神病や神経症などの境界圏にある症状を指して使いました。
また「関連するパーソナリティ障害」にあるB群パーソナリティ障害の病理をもつ患者を広義に境界例と呼んでいます。ではここで少し豆知識をお教えしましょう。当時ナイトは自分が患者に命名した「ボーダーライン」を「境界例」と言われることに頑なに反対し、絶対に「境界状態」だと言い張ったそうです。
しかしナイトの論文内容が、彼の意図に反して「境界例」という用語の普及、定着に大きく寄与したのは皮肉といえば皮肉です。少し脱線しました。それでは肝心の境界性人格障害と境界性パーソナリティ障害です。実はこの二つ、結論から言えば同じです。
英語では「Borderline Personality Disorder」。『精神疾患の分類と診断の手引』の日本語版(2003年8月新訂版)で邦訳が「境界性人格障害」から「境界性パーソナリティ障害」に変更されました。しかし、必ずしも現在、著書やウエブ上などで表記が統一されているわけではないため、本ウエブサイトでは境界性人格障害という言葉で統一することにします。
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